伝統の力
Facebook過去投稿より
〜6th month〜
Q. さて、写真は何の実でしょうか?
A. チンプンドゥと呼ばれる実。なんと、下痢止めになる天然のお薬らしい!
他にも、枝を煎じて飲むと腹痛が治るというムパパと呼ばれる木もそのへんに生えてた🌴
コミュニティボランティアさんが家族にも常用してるというから、あながち迷信でもなさそう。
昔から受け継がれる生活の知恵って、すごいね!!
*
今日は第2回目の栄養教室!
心強いベテランのコミュニティボランティアさん達と一緒に。
私自身が栄養のプレゼンでうっかり出すカードを間違っちゃうとかハプニングもあったけど(笑)、
前回に比べても村の人達が積極的に質問したりクイズに答えたりしてくれたし、地元のコミュニティボランティアさんが大事なポイントを自主的に補足してくれたりと、とっても良い回だった☺✨
全体的に皆さんお行儀よかったし、村のchiefdom(首長)が参加してくれた影響があったのかな??やっぱり伝統的なチーフの力ってすごい…!
*
今日の村は歩きで片道2時間近くかかって過去最強だった😱さすがに疲れた…
道中で村の人と話せたり、ヤギの大群と出会ったり、自然遺産ばりに発達した蟻塚フィールド見つけたりして楽しかったけど、次回は道を覚えてバイクで行こうと思いましたとさ。笑
抜け出そう、援助漬け。
Mulisambilileni mukwai?(学んでいる人への"How are you?"≒勉強どうだい?)
早いもので、ザンビア生活も7ヶ月目に突入しました!
ここでちょっとしたつぶやきと決意表明。
私の配属先であるセント・アントニーヘルスセンターには、やたらと援助機関やNGOが新しいプロジェクトを立ち上げに来ます。
昨日はあるカトリック系のNGOが栄養改善プロジェクトの一貫で種を配るために人を招集し、
今日はお昼ごろ別のザンビアのNGOがビレッジバンキング(マイクロファイナンス的な低所得者向け資金運用)の説明で訪れ、
午後は農業系の企業とコラボした食糧団体が野菜の種や農薬の宣伝のために農家を集め…。
いやいや待て、さすがにプロジェクト多すぎじゃない?
牛を利用した耕作機械の説明中。
ちなみにどの団体も、ザンビア人が運営してはいるものの、バックにはUKAID(イギリスの援助機関)などの先進国ドナーがいます。
なんでこんなに来るのかと同僚に聞いたところ、セント・アントニーはンポングウェ郡の中でも援助団体が最初に入るモデル地域のようになっているそう。
要は、日本にアメリカの新しいパンケーキ店が進出するときまず東京の表参道に出店する、みたいな感じなのかな…(セント・アントニーは比べようもないくらいめちゃ田舎だけど)。
あとはミッション系(キリスト教関連の支援が入りやすい)てのもあるだろうけどね。
さすが本業の農業のこととなると皆興味津々。
まあ別に支援が入って頂けるのはありがたいんですが、問題なのは援助を受け続けてきた村人の姿勢。
赴任して初めの頃コミュニティボランティア向けにアンケートを取ったとき、
自分の地域の保健課題に対して"あなたは"何がしたいかっていう項目に、
「○○が足りない、資金をくれ」「JICAに○○(モノ)の支援を求める」っていう意見がすごい目立った。
もうね、外部からもらうことが当たり前になってるんですよ。自分がなにをしたいか聞かれてる場面でも、誰かからもらえる前提で考えてる。
私はこの村の人々の「受け身の姿勢」にずっと課題を感じてました。
でも最初から薄々勘づいてはいたけど、やっぱりこういう姿勢にさせてしまったのは間違いなく私達「先進国」がやってきた「援助漬け」のせい。
ザンビア出身の著名な経済学者ダンビサ・モヨさんの言葉を一部借りると、
「先進国」が私益のために始めた「援助ビジネス」にドブドブに染められて、無自覚に懐柔されてきた結果といえるのかもしれない。
最初のうちはそれでよかったかもしれないけど、今後ザンビアが持続可能な形で経済的に豊かになっていくためには、
やっぱりそろそろ次のステージへ移行する、つまり自立してやっていく姿勢をもつ段階に入るのが必要なはず。
そこで、最近出した2年間の活動計画書には、
「コミュニティボランティア(=村人)のエンパワメント」をテーマに活動を組み立てました。
なんかこう書くと漠然としちゃうけど、要は
「援助機関の言いなりになるんやない、主役はあんたらや。逆にあんたらが自分達の目的を果たすために、援助機関を利用する気持ちでやらなあかんねん」
ってことを伝えたい。
(なぜかエセ関西弁 笑)
そのために自分達の力で課題を見つけ行動を起こし、解決していく方法を伝えられればと思ってます。
援助機関の1つであるJICAから派遣されてる身で援助機関を利用しろって言うのも変な話なんですが、
ここに住んで村人に近い立場にいられるからこそ、
今自分がやるべきことは
他の援助機関と同じようなプロジェクトを一方的に立ち上げることじゃなくて、
彼ら自身の中に素晴らしい力がすでにあることを気付かせてあげることなんじゃないか、と思うのです。
もちろん2年間でそんな大きな目標を成し遂げられるなんて自惚れたことは思ってませんが、
私は私のちっぽけな存在なりに、
彼らに外への依存心じゃなくて自分の力への誇りを持つこと、
自分達自身のポテンシャルを信じるためのきっかけ、
その最初の小さな芽をミジンコくらいでも提供できたらいいな、と思ってます。
というのも。
今まで日本で求職者のキャリアアドバイザーや社内のチームリーダーをしていて、
「人の可能性」ってものに気付いたとき、
そしてその可能性をその人自身が見出だしたときのエネルギーを目の当たりにしたとき、
すごくワクワクしたんです。
この村のコミュニティボランティアさんが同じように自分の可能性に気付いたところを想像したら、やっぱりものすごくワクワクする、ワクワクが止まらない。
だからこそ、これが私にとって
「やりたいこと」でありつつ、「求められていること」「できること」
との3つの円が重なりあう場所だと信じています。
まあ、とりあえずぼちぼち私なりにやってみます!
…さて、明日も村まで数時間歩きますか。笑
キッチンパーティー
Mwafma kwisa? (どこから来たの?)
以前予告していながらずっと記事にしていなかったあるイベントについて書きます。
…それは、キッチンパーティー!!
キッチンパーティーとは、ザンビア式ブライダルシャワー(女性客だけの結婚祝い)のことです。
ザンビアでは1つの結婚につきパーティーが4回もあり、このキッチンパーティーはメインの結婚式に先立って開催されます。
ヘルスセンターの同僚である準医師が結婚するというので、彼女の地元である首都ルサカまで行って参加してきました!
写真と共にレポートしていきます!
当日レポ
当日は13時に開始ということで、一緒に参加する看護師の同僚が12時に私のドミトリーに迎えに来てくれることになっていました。
先輩隊員から頂いたチテンゲ(ザンビアの伝統布)で仕立てた浴衣を着て、はりきって待っていたものの。
待てども待てどもこない…
やはりザンビアンタイム。
結局、ようやく14時になって迎えにきてくれました。
あれ、すでに開始時間すぎてる…笑
でもご心配なく。
14時すぎに着いてみたところ、この通り他のゲストもまだ全然来てませんでした。(笑)
というか、そもそもパーティー自体始まる気配すらない。
特にやることもないので、用意してあるオレンジジュースをひたすら飲んで待つ。
お気付きでしょうか、値段タグがはがされていません。このゆるさがまたよい。笑
あまりの閑散ぶりに、鶏まで参列するほど。(笑)
集まってきた女性客たちの服は、意外と伝統的なチテンゲ以外の西洋風のドレスも多いようでした。
たまに盛りすぎてマリーアントワネットみたいな奥様もいる。笑
ようやくスタート
そしてようやく、
前座が開始!
時間は15:30(開始予定時間からおよそ2時間半!)
この子たちが謎のざるを持って踊り…
各テーブルに飴を配り出しました。
散々待たされている女性客たちは、「飴よりはよ飯くれ」のオーラがすごい笑
いよいよ新婦さんと共に、新婦さんの親族が入場!
こちらは新郎側の親族!
みなさん色を揃えてて可愛いね~
新婦さんは、大きなチテンゲで姿を隠して入場してきました。
両脇にいるのは、結婚生活のアドバイスをくれる伝統的なお世話おばさん(?)らしい。
司会の方が何かしゃべる。
(任地で聞くベンバ語やランバ語ではなく、この地方の現地語ニャンジャ語なので全く分からず)
驚いたのはこれ!
新婦の友人だという医療従事者の方が、いきなり流暢な英語で健康啓発を始める。
子宮頚がん、性感染症、タバコには気を付けましょうとのこと。
さすが準医師の結婚パーティー✨
確かに女性だけの場だから啓発も効果的だよね。
場がしらけるでもなく、女性客たちは素晴らしい!って感じでヒューヒュー盛り上がってました。
そして始まる伝統的な(?)アフリカンミュージックと踊り。
新郎の周りに友人の男たちが集まり、お賽銭みたいに袋にお金を落としていく。
どうやら一定金額にならないと次に進めないらしく、皆出すのをしぶるのでやたら時間がかかった。笑
そして金額が集まると、女性2人が新婦のチテンゲを下から巻いていき…
くるくる…
じゃーん!!
新婦お目見え!!
かと思いきや、眠る。
この眠る動作は敬意を表現しているらしく、この後の流れでも何回も出てきました。
立ち上がるけど、常に目は伏せた状態。
目は伏せたまま、ちょっとだけ踊る。
(途中、司会者も謎に踊る。)
新郎の席まで行って抱き合う動作をした後、共にステージに戻り…
ようやく主役が揃って座る。
(見た目まるでディズニープリンセスだね!)
そしてお待ちかねの食事タイム!
ビュッフェ形式の配膳所まで、めちゃくちゃ長蛇の列。
一緒に来ていた同僚含め、もうみんな抜かす抜かす。
みんな何食わぬ顔でどんどん割り込みするもんだから、順番はめちゃくちゃになってます。笑
シェフたちのザンビアカラー可愛い。
問題発生。
料理、途中でなくなる。
人数の計算が甘いのなんなのか、私の番になった頃にはいくつも料理終わってて、なんならメニュー表見る限り4種類あったはずのデザートは1つも見当たりませんでした。笑
ちなみにザンビアでは女性が飲むことをあまり良しとしない文化があるためか、飲み物はすべてノンアルコール。
次に始まったのは、母親達への儀式。
義理の母(左)と実母(右)のところへプレゼントを持っていき…
一人ずつに渡して
抱擁します。
ちなみにこの後もお母様の前で例の眠る動作。
2人のお母様に感謝したようです。
素敵。
この後、お客さんみんなからもらったキッチン用品の前で、友人による家事アドバイスが行われました。
ちなみに私たち同僚一同からは電子レンジの購入金の一部をプレゼントしています。
本当に家事のアドバイスを伝えていたのか、形だけだったのかは謎。
帰るまでが遠足です
そして、パーティーが完全に終わる前に帰る客続出。
日本の都会の花火大会を彷彿とさせました(笑)
最後はちょっとだけダンスにも参加して、辺りも暗くなってきたところでお開きになりました。
…と言いたいところでしたが、まさかの帰りもお迎えの車に2時間待ちました😂
浴衣で寒すぎたので、目の前でやっていたゴミを燃やすための焚き火でさえ恋しく思った…(笑)
最後まで気を抜いてはいけません。
良い子の皆さん、帰るまでが遠足です。
感想
そんなこんなで、長いキッチンパーティーの1日が終わりました。
感想をまとめると、
細かいことは気にしない、おおらかゆるゆるなザンビアらしくて、
日本の結婚式しか知らない私にとってはかなり新鮮で楽しいパーティーでした!(笑)
またこういうイベントの機会があれば、積極的に参加したいな~
でも次は浴衣の下にゴロゴロ着込もうと決めたmwenyaなのでした。(笑)
やさしさ第2弾と青年海外協力隊
Twatota mowane! (土着の言語ランバ語で"Thank you very much")
以前もザンビア人のやさしさについて書きましたが、またもや書きたいエピソードがあり第2弾。
パーカーがない
今日は朝から、同僚とその妹さんと一緒にタクシーをシェアして街まで行きました。
いつもは週末に街まで出るときは1泊してから帰るのですが、今日は珍しく日帰りで行こうと計画してました。
普段は一晩家を空けることを考え洗濯物やらなにやら終わらせてから出かけていたのですが、今回は夕方に帰ってくるし干しっぱなしでいいか〜とパーカー2枚を外に干したまま出かけることに。
そして夕方に帰宅。
あれ!!物干しロープにあったはずのパーカーが2枚ともない!
まさか…盗られたのでは…
そんな〜と思いながら懐中電灯で外を見回し、ほんとになくなっちゃったかな…とドキドキしながら、少しの望みをもって隣の家の同僚に聞いてみました。
すると…
なんと同僚が家の中からパーカーを持ってきてくれたではありませんか!
しかも綺麗にハンガーにかかった状態のまま。
同僚は、私が今日帰ってこないと思って一晩干しっぱなしはまずいだろうと、パーカーを取り込んでおいてくれたらしいのです。
なんと親切な…!
任地の人々を信頼しすぎて気を抜いていた罰が当たったかと思いきや、その逆でかえってザンビア人の親切さと信頼性を裏付けることになったのでした。
疑ってごめんなさい。
(でも良い隊員の皆さんは一応盗難に気をつけましょう。笑)
市場にて
また先週は、ンポングウェ郡中心部の市場を歩いていたら、一度会ったことのある女性が"Mwenya!"と話しかけてくれて。
バナナを6本買ったら「バセーラ(おまけ)」とにっこり笑って1本おまけしてくれました。
その笑顔の可愛いことといったら!
思わずキュンとしてしまいました。
さらに、ンポングウェ郡中心部から任地セント・アントニーへ向かう公共のシェアタクシーが時々あるのですが、先週はあいにく乗り場に一台も停まっていない状態でした。
重い荷物を沢山持っていたし暑さの残る昼下がりだったけれど、仕方ないから車が来るのを待つか~とその辺のコンクリートの上に腰かけようとしたところ。
携帯電話のトークタイム(プリペイド式の通話料)売りの小屋から、若い女の子が話しかけてきました。
だいぶ昔の別の場所での写真だけれど、右端の赤や黄色の小屋が街中にありトークタイムを売ってます
「おいでおいで!小屋の中に荷物置いて休みなよ」
と、わざわざ空のビールケースで簡易な椅子まで作って小屋の中に座らせてくれたのです。
シェアタクが来たら教えるから休んでていいよって。
なんかもう、思いがけない優しさに感動してしまいました。
ちなみに彼女は現在22歳で、去年secondary school (日本でいう中学・高校)を卒業したばかりとのこと。
家で暇を持て余すよりも働いている方がまだ楽しく過ごせるので、トークタイム売りをしているらしい。
彼女がさらにやりがいのある仕事を見つけられることを、心の中でそっと願ったのでした。
ザンビアから日本を知る
こんな優しさをくれる親切なザンビア人のおかげで、やはりますますザンビアが好きになっていっています。
最近、青年海外協力隊のアフリカの要請に合格した友達に、「ザンビアは治安大丈夫なの?」と聞かれて、
「あぁ…そういえば私も来る前はとても不安に思ってたなあ」とむしろ懐かしい気持ちになりました。
それほどまでに、ザンビアに馴染み、ザンビアという土地に安心感を覚えるようになった自分に気付き、はっとします。
思えば任地セント・アントニーに来て1ヶ月目の頃は、慣れない環境の上にまだ人間関係も構築できておらず、かなり孤独を感じて日本シックになっていました。
それが今では、ザンビアにあって日本に足りない良さが見えるようになり、日本を客観的に分析できるようになったし、むしろ日本以外の先進国にも住んでみて日本の考え方を他と見比べたいとさえ思うようになりました。
青年海外協力隊(シニアを含めた新総称: JICA海外協力隊)は、確かにあまりに隊員に裁量がありすぎて、恐らくうまいことやって2年間遊び呆けることもできるので、帰国後に日本社会に馴染むためには危険な制度だ、と批判する人がいることも分からないではない。
けれど、日本の若者の育成事業としての側面から言えば、これ以上ない素敵な制度だと思うのです。
日本という慣れ親しんだ土地で守られながらぬくぬくと生きてきた若者が、右も左も分からない土地へたった一人で投げ込まれ、言葉も十分に伝わらない中でゼロから人間関係を構築し、文化の違いを受け入れながら自分のやりたい活動の実現に向けてがむしゃらに立ち向かっていく。
そして、ずっと常識と思ってきた日本の価値観がいとも簡単にガラガラ打ち壊され、今の日本のあり方に疑いの目を向ける。
確かにそこには多くの典型的な日本企業が新入社員に求めるような「礼儀正しく、謙虚で、従順な若者」の姿はないだろうけど、
むしろそんな従来の工場生産的な、ただの人手としての御用聞き社員は、これからの日本に必要ないのだと思うのです。
できるだけ若いうちに日本以外の国へ出ていって、自分の中の常識をぶっ壊して、あー日本っていいなーで終わらずに、日本のここが変だってところをどんどん見つけてしまえばいい。
もちろん海外を知るためには青年海外協力隊以外の手段も沢山あるだろうけど、こんなにも草の根の末端まで入り込んで、しかも日本の信頼できる機関から手厚いサポートを受けながら活動できる制度はなかなかないと思います。
さらに、隊員になったからこそ出逢えた日本全国のバラエティ豊かな仲間達との繋がりは、今後の自分自身の人生を考える上でかけがえのないものになると確信をもって言えます。
なんだか協力隊のまわし者みたいになりましたが(笑)、
とにかくザンビアのことも日本のことも心から好きだと感じる私は、両者がお互いに学び合って良い相乗効果が生まれることを願ってやみません。
おいでよザンビア
Mwabomba shani? (働いている人への"How are you?" ≒ 仕事どう?)
この前、日本に住んでいる友達に「ザンビア来てよ!」と言ってみました。
すると友達
「冗談面白すぎ!もーやめてよ~!」
と爆笑。
私としては、かなり
「えっっ!!」な反応でした。
(めちゃくちゃ本気で誘っていた)
確かに、私もザンビアに来る前は、アフリカは旅先としてかなりハードルが高いイメージがありました。
大学生の頃、西アフリカのブルキナファソに旅行しようと計画を立てた時は、新宿の超大型病院にわざわざ足を運んで何本も予防注射を打ち、1万円もするマラリアの予防薬を購入して、ブルキナファソについてネットで調べまくって準備したものです。
(残念ながらこの旅行は出発2週間前に西アフリカでエボラが流行り、親に止められ断念)
イメージとしても、水道がなくてトイレはぼっとんで電気がある場所は限られ、近代的なモノは全然揃わないサバイバル生活…というのがアフリカでした。
観光というよりもウルルン滞在記しに行きたい感じ。(笑)
ところがどっこい。
実際アフリカ、ザンビアに来てみたら
なんとまあ随分環境が整っていて綺麗で、素敵なところじゃないですか。
隊員が行くようなよっぽど奥地じゃなければ、大抵のところでは水道や電気、携帯の電波に苦労しないのはもちろん、トイレは水洗だし水シャワーもある。
首都やある程度の都市であれば大きな外資系スーパーや中華系スーパーがあって、日本独自のものを除けば生活に必要なものはほとんど全て揃う。
外食もザンビアらしい地元の食堂からステーキ、海鮮、カフェ、イタリアン、中華料理、韓国料理、インド料理、タイ料理、エチオピア料理、一部のお店ではお寿司まで、バラエティ豊かに楽しめる。
そして先日、ケニアとタンザニアから同期隊員が来るというので、
世界3大瀑布の1つ「ヴィクトリアの滝」を目玉にしたザンビア最大の観光都市、リビングストンに行ってきました。
すばらしきかなリビングストン
ただでさえザンビアが近代的だったことに驚いていた私でしたが、リビングストンに来てさらにびっくり仰天。
ザンビアの田舎の村からは想像もできないほど洗練されていて、お洒落なお店だらけ、外国人も沢山、ザンビア人の英語も綺麗で、他の国に引けをとらない観光地のように思えました。
そんなリビングストンのおすすめポイントを紹介します。
①動物が沢山見れる!
まず驚くのが、どこにいても野生の動物!
こんな風に、舗装された道路の脇を普通に象が歩いていたり
スーパーの屋根やトラックの上など、至るところに普通にサルがいたりします。
さらに、少しお金を出して「ライオンウォーク」というアクティビティを申し込めば、ライオンと触れあうこともできちゃいます。
猫みたいに撫でたり、一緒にお散歩したり
至近距離で写真を撮ることも!
インスタ映え間違いなし。
もちろん、飼い慣らされたライオンなのでおとなしく、安心して触れ合えます。
わざわざ動物園やサファリに行かずとも、そのへんを歩くだけで手軽に動物と出会える場所はなかなかないのでは。
②優雅なジャングルクルーズができる!
「サンセットクルーズ」というアクティビティに申し込めば、
こんな素敵な船に乗って
優しい生演奏を聞きながら(この日はなぜかグーチョキパーの歌だった笑)
軽食とワインやビールの飲み放題を楽しんで
時々リアルジャングルクルーズばりにカバやワニと出会いながら
ゆっくりと夕日が落ちていくのを眺められちゃいます。
ああ、なんて素敵なの…
優雅なまったりとした時間に、ロマンチックな気分になること間違いなし。
③やっぱりスゴイ!ヴィクトリアの滝
ザンビアが誇る世界3大瀑布ヴィクトリアの滝は、やっぱりすごかった!
ぎりぎりシーズンだったこともあり、ご覧の通りものすごい水量!
とにかく、勢いがすごい!
向こう岸はお隣の国ジンバブエ、もはや霧のようになってます!
もちろん水しぶきもすごいので、カメラが壊れないかドキドキしながらずぶぬれで連写!笑
さらになんと…
橋にかかるダブルレインボーまで見れちゃいました!
滝と虹のツーショットはお気に入りの一枚!
もし勇気のある方がいれば、橋からバンジージャンプもできちゃいます。笑
同期隊員は見事成功しました。
人がやってるのを見るとやりたくなってくる…
はい、ここに落ちます。
いつかやろう。いつか。笑
④神秘的!ルナレインボー
夜は今回の旅のメインと言っても過言ではない、ルナレインボーを見に行きました。
ルナレインボーとは、1年のうちで限られた季節、それも月に数日の満月の前後にだけ見ることのできる、夜の滝にかかる虹のことです。
条件が揃わず見られないこともある中…
こんなに綺麗に見ることができました!
滝の音が響く中で光る満月と星、そして闇の中にひっそりと現れる虹…
ああ、なんて神秘的なんでしょう。
うまくいけばルナレインボーとツーショットも撮れちゃいます。
良いカメラを持っていくことを強く、強くお勧めします。
⑤綺麗な宿に安く泊まれる!
ザンビアのロッジは、ドミトリールームであれば一泊$12(1200-1300円)程度のところも。
安いからってあなどるなかれ。
初日に泊まったfawlty towersという宿は…
共有スペースにこんな素敵空間が広がってるかと思えば
美しいプール付きの庭で優雅に朝食を食べることもできました。(そして美味しい)
さらに、私が泊まったときは人が少なかったので3人部屋を独り占めできました。笑
シャワールームや洗面台もものすごく綺麗。安定してお湯も出ます。
別日に泊まった同じ値段帯のjollyboys backpackersという宿も、よりアフリカっぽいインテリアの素敵空間でした。
プールもあります。
すぐそばにあるマッサージやさんも、日本の高級エステばりに綺麗で本格的でとってもオススメ。
この値段帯でここまで素敵な宿に泊まれるのは、他の観光地ではなかなかないのでは?と思います!
⑥美食の宝庫!
リビングストンは、首都ルサカに負けず劣らず美味しくて綺麗なレストラン&カフェの宝庫。
イタリアンも
多国籍料理も
お洒落カフェランチも
さらには新鮮な生牡蠣や
お寿司まで楽しめちゃいます。
さすがにお値段は少々張りますが、それでも日本で食べるよりは安いくらい。
ついでにここのジェラートは美味しすぎて、滞在中3回も食べちゃいました。
夜遅くまで営業してるのもニクイところ。笑
素敵空間で美味しいご飯を食べていると、時々ヨーロッパかどこかかと錯覚してしまいます。
⑦人良し、気候良し、治安良し!
そしてなんといっても、ザンビアの3大魅力ポイントである「人・気候・治安」の良さはリビングストンでも健在!
親切でフレンドリーなザンビア人に助けられながら、乾期はほぼ晴れという最高の気候を満喫し、アフリカであってもそれほどスリなど犯罪の心配をせずに楽しめます。
不安な方は、私のような現役の協力隊員や隊員OBを味方につければさらに安心!笑
隊員さえいればツアーに申し込むよりずっと格安な旅行も実現できちゃいます。
結論、旅先としてアリです。
豊かな自然と動物に触れ合って冒険しながら、優雅にクルーズや美食に浸り、のんびりリゾート滞在を楽しめるリビングストン。
結論、旅先として十分にアリです。
ちなみに、もう少しアフリカを感じたい方はミニバスに乗って10分も行けば、ごちゃごちゃしたローカルマーケットにも遊びに行けちゃいます。
ザンビア人の田舎在住な私は、ザンビア人が綺麗な英語を話すのと自分が観光客扱いされるのが寂しくて、
リビングストン着いて早々無駄に現地語で挨拶しまくりながらローカルマーケットまで30分歩いたのは内緒。笑
日本の皆さん、ザンビアに来て観光地リビングストンを満喫するのはいかがですか?
一生の思い出とアフリカに行ったドヤ感が得られること間違いなし!
そしてついでに、素敵なド田舎を体験しに私の任地セント・アントニーにも遊びに来て下さい。笑
ねだることとあげること
Mwashibukeni! (朝の"How are you?"≒おはよう)
ただいま首都ルサカに向かうバスの中です。
明日ちょっとしたイベントがあるのでわくわくしています!(追ってブログ書きますね)
今回は備忘録的に、あることについてのいくつかのエピソードを書きます。
それは、ザンビアに来て一番理解に苦しんでいること…
「おねだり」についての価値観の違いです。
エピソード①お金ちょうだい
先日書いた、「はじめての栄養教室」の会場である村に向かって歩いていたときの1コマ。
途中、何度か来たことのある集落を通った。
集落の男性たちが集まって話していたので、いつものように軽く挨拶だけして通り過ぎようとした。
するといきなり1人の男性に
"I'm angry!!(怒ってるぞ!)"
と大声で呼び止められた。
えっ何々?なんで怒ってるの??
と思って近づいてよくよく聞いてみると、
"I'm hungry!!(お腹すいた!)“
だった。
要は、貧乏でお腹がすいたから食べ物かお金をくれ、ということらしい。
その男性だけでなく、そばにいたおばあちゃんからも言われた(このおばあちゃんに関しては何度かヘルスセンターに来たときもお金をねだられていた)。
あぁ、私何度もここを通って現地語で挨拶もしているのに、この人たちは私をただの「お金ありそうな外国人」としか見ていないんだな…と悲しくなった。
まあでも、私のことをよく知らないザンビア人に何かねだられるのはいつものこと。
ザンビア人が外国人に何かをねだる習慣をつくってしまったのは、きっと今までザンビアを援助漬けにしてきた私達外国人の責任でもあるのだから、ある程度しょうがないのだろう。
そう思って、それ以上は深く考えずにその場を去った。
エピソード②お礼ちょうだい
村での栄養教室が無事に終わり、村のお母さん達がクッキングデモンストレーションで作ってくれたおかずとシマ(ザンビア人の主食)を頂いた。
お母さん達が作ってくれた料理はとても美味しくて、何度かお礼を言った。
すると一人のお母さんがすごくニコニコしてくれて、感謝の気持ちが伝わったのだと嬉しくなった。
そして全てのプログラムを終え、もう一度お礼を言いながら立ち去ろうとしたとき、あのお母さんがニコニコしながら呼び止めてきた。
何か言っているみたいだけど、現地語でよくわからない。
何度か「分からない」のジェスチャーをすると、そのお母さんが相変わらずニコニコしながら、腰に巻いたチテンゲ(スカート代わりの布)の破れている裾を指差した。
あっ…そういうことか…
おそらく
「チテンゲが破れちゃったけどお金がなくて買えないの。新しいチテンゲを買ってくれない?」
というメッセージらしい。
これも朝通りすぎた「お腹すいた」の男性と同じおねだりなのだけれど、
今度は
「お金持ってそうな外国人だから欲しい」
ではなくて
「今日ご飯を作ったお礼に欲しい」
という意味合いに思えて、
不思議とそこまで悲しい気持ちにならなかった。
そこから、
私は村人に「○○が欲しい」と言われたこと自体が悲しかったのではなくて、
私が友達として同じ目線になりたいと思っていたのに、向こうから「外国人」として線引きされたことが悲しかったのだな、
と感じた。
エピソード③お土産ちょうだい
栄養教室開催の後、先輩隊員の活動見学と同期隊員とのヴィクトリアの滝観光のために、ザンビア南部のカズングラ・リビングストンに行った。
(どちらも素晴らしいところだった…追ってブログにも書きたい)
そして1週間以上不在にしたのち帰路についていると、途中の街で同僚(家が隣)とたまたま帰るタイミングが合ったので、タクシーに乗り合わせて任地セント・アントニーへ向かった。
タクシーの中で南部旅行の話をひとしきりしていると、運転手から言われた。
「それで、mwenyaはご近所さんに何を持ってきたの?(What did you bring to your neighbor?)」
これはつまり、ご近所さんへのお土産は何か、ということ。
これまでも何度か出張帰りに、近所に住む教会のシスターに「私のために何を持ってきてくれたの?」と言われたことはあった。
そのときは「え?何故?」という感じだったけれど、
今回のように第三者にも言われるということは、おそらくザンビアにはお土産の習慣があるのだろう(私自身はお土産をもらったことは一度もないけれど…)。
そういえば私も大学時代のバイト先や会社員時代の職場に、長期旅行にいく度に当然のようにお土産を買ってきていた。むしろお土産を買うことを楽しみにさえしていた。
だからよく考えてみれば、ご近所さんである同僚たちにお土産を配ることは普通のことなのかもしれない。
ただ、お土産を「もらう側」から要求するかしないかの違いだ。
そこで、買ったものを渡すのは気が引けるので(金持ちと思われたくない)、自分でお菓子をつくって配ることにした。
家にあったありったけの材料で
スコーンと
バナナのパウンドケーキをつくって
ラッピングして渡した。
すると、
In charge(院長)
"Mwenya!! You are nice!!!(満面の笑み)"
同僚
"Woow Mwenya〜〜!! Thank you🖤(投げキッス)"
と、皆思った以上に驚いてものすごく喜んでくれた。
その笑顔があまりに可愛くて、くすぐったいような嬉しい気持ちになった。
「あぁ…なんで今まで何もあげてこなかったんだろう。こんなに喜んでくれるなら、もっと早くあげればよかった。」
素直にそう思えた。
多分、日本で友達にプレゼントをあげたときや、親しい同僚にお土産をあげたときと、同じ気持ちになれた。
エピソード④服ちょうだい
そして今週。
夕飯時、近所に住むCHAと呼ばれる実習生達の家に、シマ作りを習うという名目で遊びに行った。
(CHAについては「はじめての栄養教室」参照)
特にCHAの女の子達とは仲良くしてもらっているので、先日も同僚たちと同じパウンドケーキをお土産としてプレゼントしていた。
シマを作っている様子。固まってくるとけっこう力が要る
そしてシマを作りながら楽しい一時を過ごした後、送るよと言ってくれたので皆で私の家に向かって歩いていた。
すると女の子の一人から、「ねえねえちょっと」と腕を組まれ、皆の輪をはずれて内緒話をされた。
「Mwenyaのはいてるズボンすごく良いよね、私にくれない?」
私に対するおねだり作戦だった。
しぶっていると、
今度は「髪の毛切ったらウィッグにして私にちょうだい?」と違う角度でおねだりしてきた。
(※ザンビア人女性はストレートヘアが羨ましいらしい。今までも色々な人から同じことを言われた)
なんだかとても複雑な気持ちになった。
これは友達としての親しさ故のおねだりなのか、
それとも単にモノをくれそうな外国人への要求なのか。
人懐っこそうな彼女の表情からはそれが読み取れなかった。
おねだりの習慣
日本では、赤の他人はもちろん親しい友達にも何かをねだる習慣は少ない。
おねだりするとしても、親やパートナーなど極めて身内に近い人に対してだけだ。
何かプレゼントが欲しいとしても、それを人にストレートに要求するのは「恥ずかしいこと」とされ、相手が自主的にくれるのを待つか、せいぜい遠回しに「あれいいな~」とアピールするくらいだ。
ところがここはザンビア。
笑うも怒るも泣くも喜ぶも、感情表現がオープンで気持ちもはっきり相手に伝える国民性だ。
もしかしたらザンビア人同士でも、何か欲しいと自分の欲求を素直に伝えることは自然なことなのかもしれない。
そう思うと、ますます女の子のおねだりの意図が分からなくなる。
ザンビア人を理解したい、普通の友達として仲良くしたい。
だからこそ日々ザンビア人の「普通」が分からずに悩む。
まだまだ考えがまとまっていないけれど、
これからもこの「おねだり」とは付き合っていくことになりそう。
ザンビア人の考えと自分の気持ちをじっくり観察していきたい。
やさしさ
Natotela saana (Thank you very much)
ザンビア人の優しさに触れた話。
今日、タクシーとバスを乗り継いで行くルアンシャという街で買い物して、重い買い物袋を提げて道を歩いていました。
すると重いものを入れすぎた結果、袋が切れた!
入っていたパン、パスタ、きのこ、ペットボトルの水が土の上でバラバラに!!
慌てて集めて再び運ぼうとするも、袋は切れているのでうまく持つことができずあたふた。
すると近くの露店からザンビア人女性が近寄ってきました。
彼女の手には頑丈なスーパーのビニール袋。
「使って」
一言だけ言って、何を要求することもなくお店に戻っていきました。
スーパーのビニール袋は、1〜2クワチャ(10〜20円)。
彼女が売っていた野菜は、高くても5クワチャ(約50円)。
さらに使い古したチテンゲ(伝統布)を腰に巻いた彼女は、決して裕福ではなさそうでした。
…あぁ、なんて優しいのだろう。
路上でビニール袋を高く売る商人もいる中、ただ道端にいた外国人に貴重な袋を渡してくれるなんて。
移動で疲れていた心が、じんわりと温かくなるのを感じました。
そしてさっきと同じ重たい荷物を持っているはずなのに、不思議と軽い足取りになって帰路につきました。
またあるときは、ミニバスで街まで移動したら日が暮れて薄暗くなってしまったことがありました。
着いたバス停で運転手に
「どこにいくの?」
と聞かれ、
「スーパーだよ」
と答えると、
なんとなにも言わずにそのままスーパーまで乗せていってくれました。
少しの移動で3クワチャ以上かかるのが当たり前の中、たった1クワチャも要求せずに。
そしてバスの運転手のお兄さんは、爽やかな笑顔で去っていきました。
こんなことが日々起こります。
ザンビア人は本当に優しくて、感動することばかりです。
あー、親切なザンビア人のおかげで
どんどんザンビアが好きになってしまう。
もちろん事件だって起こるし良い人ばかりではないのだろうとは思う。
けれど、
やっぱり私はこんなにも沢山の優しさをくれるザンビアの人々のために、何かお返ししたい。
そう改めて思わされるのでした。